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メンタル

なぜ外出するだけで緊張してしまうのか【社交不安・場面緘黙】

2019年11月15日

nervous

こんな悩みがある人におすすめの記事です。

  • 外に出るだけなのに、なぜか緊張する
  • 外出中も堂々としていたい
  • 治す方法と実体験が知りたい

かつて筆者は、家以外では誰とも話せない「場面緘黙症」を患っており、外出中はいつも緊張していました。

しかし、今では平気です。

本記事では、心理学の研究を交えながら、筆者がどうやって外出の緊張を乗り越えたかを紹介していきます。

外出で緊張していた頃の話

「何で私だけが普通じゃないのか」とずっと疑問でした。

唯一落ち着く場所は家の中。外に出た瞬間、肩に力が入り表情も固くなり、頭がボーッとしてくる感覚に襲われる。楽しい時でさえ同じ。旅行をした日には必ずお腹を壊すなど、精神も体も苦痛を感じていました。

 

しかし、緊張の克服方法を色々と試す内、症状が軽くなり始めます。「なぜ外出すると緊張するのか」という根本的な原因に気づき、それに対処することで堂々と家から出られるようになったのです。

 

外出で緊張する原因

外で緊張する主な原因は次の3つだと考えています。

筆者はこれら全て当てはまっていました。

 

自意識過剰の疑い

自分のことを意識しすぎるせいで、緊張してしまう人は多いでしょう。

例えば、これらに心当たりがあるはず。

  • 自分の一挙手一投足が気になる
  • 他人からの評価を恐れる
  • 自分の心に意識が向きすぎる

 

もし当てはまっていたら、自意識過剰の疑いがあります。なんだかネガティブに聞こえてしまう言葉ですが、当の本人はこの症状で相当辛い思いをしているはずです。

 

なぜ自意識過剰になるの?

人間には2つの自己認識があると、コロンビア大学の心理学部で教授は言います。

  1. 内的な自己認識
  2. 外的な自己認識

この2つが自意識過剰と関係しているようです。

まず内的な自己認識とは、自分の感情や思考、体の反応を一歩引いて観察していることを言います。

例えば、「緊張した時に、心拍数が上がっているのを感じる」のがそうです。自分の体の反応を客観視している状態です。

 

そして外的な自己認識とは、他人から見える自分を意識すること

厳かな雰囲気の場で、大人しくしようとするなどが当てはまります。外的な自己認識が働くおかげで、状況に合わせて自分の態度を変えられるのです。

教授は、この2つが過剰に起きると問題になると言います

参考サイトはこちら

 

自意識過剰になるのは注意力のせいかも

内的な自己認識が高まれば、感情が大きくなります。例えば、未来のことが心配になっている時、不安な感情を意識すると、余計不安が強くなるでしょう。

 

外的な自己認識も同じです。常に他人の目が気になってしまえば、恥になることや失敗しそうなことを避ける癖がつきます

こうして自意識過剰になり、緊張しやすいメンタルが出来上がってしまうのです。

 

しかし、そもそも自己認識が高まってしまう理由は何なのでしょうか。

その理由は、注意の向け方が関係していると考えられているようです。

教授は、自分のことに意識を向かわせるのではなく、自分の外側に注意を向けることで自意識過剰から離れられると言います。

 

他人からどう見られているかを気にするのではなく、外の景色を眺めたり、相手の服装を観察してみたりすることで、自意識過剰を抑えられるのかもしれません。

 

心の病の可能性

2つ目の外で緊張する原因は、社交不安や場面緘黙症などの心の病です。

当てはまりそうな人には、次のような反応が現れているはず。

  • 人前で緊張する
  • 人の視線が気になる、他人からの評価を気にする
  • 特定の場所で声を発しづらくなる

もし、心当たりがあるのなら、心療内科の受診を勧めます。個人で治そうとすると、思わぬ副作用があるかもしれませんので。

筆者は専門家に頼らなかったため、克服するのに想像以上に時間がかかりました。

 

無理に行動して心にダメージを与えるより、彼らを頼るようにしたいところです。

 

私の場合は「受け身の姿勢」が原因だった

筆者の場合、場面緘黙や社交不安の症状が顕著に現れていましたが、根本的な原因となっているものが別にありました。

それは、「受身の姿勢」です。

 

外に出て一番に頭に浮かんでいたのが、「緊張したくない」ということ。外出中は何度も「自分は変じゃないかな」「ぼーっとしてきた」と考えていました。

常に、「誰かから見られている自分」や「こうあるべき姿」を想像していたのです。

 

自分が何をしたいのか、どういう人間でありたいのか、そのような積極的な心の持ち方が欠けていた。これが、筆者が外出中に緊張していた理由です。

 

緊張に対して最も効果的だった方法

外出で緊張する原因が「受身の姿勢」だと分かってから、様々な対策に踏み切りました。

しかし、無理に積極的に行動してみても、ストレスが溜まるだけで状況は悪化するばかり。

家に帰るとどっと疲れを感じるだけで、何の変化もありません。

 

そんな中、一つの論文を読んでから状況は好転します。

それは、「リアプレイザル」について書かれた論文でした、

 

リアプレイザルで、緊張下でもパフォーマンスが上がる

論文の内容は興味深いものでした。

その内容は、学校のテストで緊張してしまう人たちにリアプレイザルという方法を試したというもの。その結果、緊張を無視しようとした人たちよりも成績が上がったと書いてありました。

 

リアプレイザルとは、今体験している感情の利用方法を考えることをいいます。

例えば「不安」であれば、「不安な時は、未来のリハーサルができる」など。不安の活かし方を考えるのです。

 

これが、緊張に非常に効果的。実際に研究で行われた実験を見ていきましょう。

実験に参加した被験者たちは、最初に次の2グループに分けられました。

  1. ストレスによってテストの成績が上がるという説明を受けたグループ(リアプレイザル)
  2. ストレスは無視すべきだと説明を受けたグループ(コントロール)

それから、数学テストを実施しています。結果、リアプレイザルグループの方が好成績で、それも不安が減ったり、自分の実力に自信がついたりしたとのこと。

 

リアプレイザルを行えば、一見ネガティブになりそうな感情も、自分の力として使えるようになるのです。

 

なぜリアプレイザルが緊張に効果的なのか

研究において、リアプレイザルが被験者のテスト成績を上げた理由は、使えるリソースが増えたからだと考えられます。

緊張によるストレスが悪いものだと思えば、無力感に襲われるはず。

しかし、ストレスを自分の力に変えられると考えられれば、テストに前向きに取り組めるのです。

 

言うなれば、ゲームで武器を持たずに強敵と戦うのが、感情を上手く利用できていない状態。逆に、攻撃力のある武器を手にして戦えるのが、リアプレイザルを行った状態だと言えます。

そのため、自分に自信がつき、緊張に強くなれるのです。

 

筆者はこの論文を読み、リアプレイザルは外出中の緊張にも使えそうだと考え、実行に移してみました。すると、やはり効果てきめんだったのです。

 

外での実践例

外で自分が緊張していると気づく度、リアプレイザルを行いました。

「受身の姿勢でいるな」と考えるようにし、それから、自分のしたいことをしようと積極的な態度に改めたのです。

つまり、リアプレイザルとして緊張を「受け身になっていることを伝えてくれるシグナル」だと捉えるようにしたということ。

 

これで、外出中の緊張が大幅に軽減されました。

さらに詳しく実践例を見ていきましょう。

例えば、人からの視線を感じた時には、次のように考えました。「今は受け身の姿勢でいるから、何かしたいことをしよう。」

筆者は、人から観察されるのが嫌だったので、逆に自分が観察する側でいてみることにしました。

歩いている人たちの服装に注意してみたり、表情をチラっとみて、その人に何があったのか想像してみたり。

このように、自分の好きなことをしてみた結果、緊張が和らいでいったのです。

 

そしてリアプレイザルを続ける内、外での緊張は少なくなり、堂々と外出できるようになりました。

 

緊張を軽減する方法

もちろん、リアプレイザル以外にも、緊張を和らげる方法があります。

筆者も試してみましたが、全て実践さえすれば、かなり効果的。

しかしそれらをまとめる前に、まずは、多くの人ありがちな誤った考え方から触れていきましょう。

 

失敗する例

緊張した時、多くの人が心を落ち着かせようとします。例えば、次のように。

  • リラックスを試みる
  • 自分を「今は緊張する時じゃない」と納得させようとする

しかし、大抵はどちらも失敗に終わります。

 

その理由は、感情のコントロールは多くの場合上手くいかないからです。それはネガティブもポジティブも同じ。

不安を消そうと思っても、根本の問題が解決されない限り消えません。喜びを感じようとしても、「嬉しい」と念じるだけでは何も起きませんよね。

 

感情自体をどうこうしようとしても、無意味なのです。

その代わりに効果があるのは、次のような方法です。

 

効果がある方法

研究論文で確かめられている緊張を和らげる方法は、次の4つです。

  • 呼吸
  • 瞑想
  • 運動
  • セルフコンパッション

それぞれ具体的に見ていきましょう。

 

呼吸

「緊張したら、深呼吸をしなさい」というアドバイスは、あながち間違っていません。

超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド”によると、

一般的に人間の体は、不安やイライラを感じると心拍数が上がって全身が緊張し、脳に酸素を送るために息が荒くなります。…

ところが、ここでわざと呼吸を遅くすると、私たちの脳はセキュリティシステムを解除し、同時に心拍数が下がって体の緊張もゆるんでいきます。

とのこと。

呼吸は、緊張による体の反応をニュートラルなものへと調整してくれるのです。

 

では、どう呼吸するのが良いのでしょうか。

様々な呼吸法がありますが、やはり腹式呼吸が効果的です。

胸に右手を当てて、お腹に左手を当て、鼻から息を吸います。

呼吸でお腹が上下するようにし、胸に置いた手が動かないようにしましょう。

これを繰り返していれば、気持ちが段々落ち着いていきます。

 

また、他にも腹式呼吸以上に効果的な方法があります。

詳しくは、”超ストレス解消法 イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド”をお手に取りください。

 

瞑想

瞑想の効果も、しっかりエビデンスが報告されています。

例えば、過去の研究を調べてみたところ、瞑想でストレス耐性がついたり、不安が減ったりという報告がされていました。

それに加え、瞑想熟練者は未経験者に比べて、自意識過剰になりにくいことも分かっています。

 

瞑想には、外出で緊張する原因「自意識過剰・心の病」を軽減できる可能性があるのです。

 

詳しく瞑想について知りたい方は、こちらの過去記事をご覧ください。すぐには効果が現れませんが、続けていれば今よりも緊張しづらくなるはずです。

 

運動

思い切り体を動かして汗をかいた後は、気持ちがスッキリするもの。

定期的な運動は、緊張対策にも使えます。

 

例えば、リムリック大学のメタ分析では、筋トレに小~中程度の不安改善効果があると報告されています。しかも、その効果は年齢や性別を問わず現れたそうです。

 

メンタルに良いベストな運動量は、一日30~60分の範囲で週3~5回です。それ以上行ってしまうと、逆効果になる恐れがあるので注意しましょう。

もっと詳しく運動の効果を知りたい方は、こちらの本が参考になります。

 

セルフコンパッション

あまり聴き馴染みのない言葉だと思いますので、まずはセルフコンパッションが何かを説明します。

セルフコンパッションは、次の3つの要素で構成されています。

  1. 自分への優しさ(他人と同じように自分に優しさを向ける)
  2. 共通の人間性(苦しみを分かち合う)
  3. マインドフルネス(価値判断を手放す)

上から順番に簡単に説明すると、人に優しくするように自分にも優しくしてあげること。誰もが完璧な存在ではないと理解すること。そして、今ここに意識を向けてネガティブに囚われないことを意味します。

この3要素を伸ばしていけば、セルフコンパッションが鍛えられ、緊張に強くなれるでしょう。

 

というのも、セルフコンパッションによって、不完全な自分を受け入れられるようになるからです。もし、恥をかいても「人は失敗するものだ」と考えられます。自分の欠点を個性として受け入れられたりもするでしょう。

セルフコンパッションを高めると、心の健康度が上がるのです。

 

気になる鍛え方はというと、次のようなのがあります。

  • セルフハグ(自分の体を優しく抱きしめる)
  • 過去の辛かった体験について、自分を慰めながら紙に書く
  • 自分をいたわる行動をする(お風呂でリラックスなど)

セルフハグがもっとも手軽に行える方法です。

自分の体を両腕で優しく抱きしめます。その間、優しい言葉も掛けましょう。「大丈夫だよ。よく休んでね」と。

これで、脳にはオキシトシンが分泌され、リラックスできるようになります。毎日スキマ時間に行うと良いでしょう。

 

他の方法については、こちらの過去記事を読むか、をお手に取りください。

 

大事なのは緊張下で使えるリソースを増やすこと

呼吸、瞑想、運動、セルフコンパッション、と緊張を軽減する方法を見てきましたが、どれも単体ではあまり効果がないように思っています。

全て実践するのが大切です。

定期的に運動をし、緊張したら呼吸法や瞑想で培ったマインドフルネスを発揮する。さらに、緊張している自分をセルフコンパッションで受け容れる。

 

これを繰り返し続ければ、緊張に対しての自分の反応が変わっていることに気づくでしょう。

 

そしてもう一つ大事なのは、緊張中にも自分に自信が持てるようにすることです。

自分の強みは何なのか、何に楽しいと感じるのか、まずは自分への理解を深めることが重要です。そして、それを緊張する状況で試します。

私だったら、外出中は人を観察しながら色んな想像をする。この人はどんな性格なのか、どうしてその表情をしているのか、なぜその服を選んだのか。こうやって頭を働かせるのが好きで、それをしている最中は緊張が消えます。

 

外出中の緊張で悩んでいる方は、呼吸、瞑想、運動、セルフコンパッションと、何をすれば楽しいのか考えてみるを実践すれば、幸せになれるかもしれません。

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